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【呪術廻戦】結界術ってのは難しいよな ~“帳”編~

呪術廻戦において頻出する「結界術」。そのうち、前回の記事では「簡易領域」をピックアップして、「呪術廻戦においては、結界術は難しくて使い手が少ない」ということを主張していきました。

hitotonoya.hatenablog.com

引き続き今回も、「呪術廻戦においては、結界術は難しくて使い手が少ない」という設定を少しでも広めるべく、今度は“帳”をピックアップして説明・考察していきたいと思います。

 

 

“帳”と補助監督

呪術廻戦において、”帳”を降ろすのは主に補助監督の役目だと描写されています。

 

夜蛾正道:

この中に「“帳”は自分で降ろすから」と
補助監督を置き去りにした奴がいるな そして帳を忘れた

――呪術廻戦 65話より

 

このセリフから、「補助監督の役目に“帳”を降ろすことが含まれていること」「“帳”を自分で降ろすことができれば、補助監督の同行が必須ではないこと」が予測できます。

東京高専で現在単独任務が許されている狗巻・伏黒ですが、両者とも自らが“帳”を降ろしている描写はありません。狗巻の0巻の任務では、伊地知が同行して“帳”を降ろしていますし、伏黒が参加している少年院の任務、八十八橋の任務両方とも、“帳”を降ろすことができる補助監督として伊地知と新田がそれぞれ同行しています。

1話の伏黒の任務

伏黒は1話の「宿儺の指回収任務」で補助監督が同行している描写がありません。「呪物の回収」だけなら帳を降ろす必要がないという判断でしょうが、実際に現場に向かったところ、肝心の呪物は行方不明、2級呪霊が昼間から徘徊しているような有様でした。
ここで伏黒は任務の方針変更を検討しています。

 

伏黒恵:

気が進まないが一度学校を閉鎖
呪いを祓った後隅々まで探すしか…

――呪術廻戦 1話より

 

この「一度学校を閉鎖」の際に補助監督を呼んで、“帳”を降ろした上で呪霊の祓除と呪物の捜索に当たろうとしたのかもしれません。

結局ごたごたあってそのプランはナシになってしまったうえに、学校突入時にも“帳”を降ろさなかったため、その時点で一般人であった虎杖が校舎内に突入してきてしまっていますね。(通常の“帳”に一般人の侵入を阻む効果があるかは不明ですが)

 

“窓”と補助監督の違い

“窓”と補助監督を混同している人が結構いると思いますが、“窓”と補助監督は明確に線引きされている描写が本編中にあります。

窓とは以下のように定義されています。

 

術師ではないが呪いを視認できる高専関係者

――呪術廻戦 6話より

 

そして渋谷で降ろされた“一般人のみが閉じ込められる帳”については、窓と補助監督の間で効果に差があります。

 

伊地知:

“一般人のみが閉じ込められる帳”です
一般人は侵入のみ “窓”には個人差が 術師は補助監督役含め出入りが可能です

――呪術廻戦 83話より

 

“窓”は高専関係者ですが、「術師ではない(非術師)」。逆に補助監督は「術師」扱いになります。この差は恐らく「呪力を扱える脳の構造」なのではないでしょうか。

術師と非術師の差については、羂索も無為転変を発動した際に、このように言っていました。

 

羂索:

マーキング済の2種類の非術師に 遠隔で「無為転変」を施した
虎杖悠仁のように呪物を取り込ませた者
吉野純平のように術式を所持しているが脳の構造が非術師の者
それぞれの脳を術師の形に整えたんだ

――呪術廻戦 136話より

 

死滅回游では「非術師は一度脱出の機会が与えられる」「術師と非術師でポイントに差がある」ことから、「術師と非術師を分ける明確な基準」が存在しています。
おそらくこれは、上記の羂索のセリフから「脳の構造」であると考えられます。

つまり渋谷で“一般人のみが閉じ込められる帳”に侵入できた“窓”は、「脳の構造が術師の形であった者」というわけですね。

 

“帳”は補助監督に必須のスキルである

さて、呪術廻戦は生得術式を持たない虎杖や日下部なども術師として扱われていますので、ファンブックで「術式:術式なし」と書かれている伊地知と新田明も「術師」扱いで間違いないでしょう。この二人はそれぞれ東京高専、京都高専を卒業しています。

補助監督は全員「脳の構造が術師である」こと、「呪術高専で補助監督の育成もする」ことから、呪力操作の基礎はできると考えられます。その中で補助監督となるのに必須のスキルが“帳”…つまり結界術なのではないでしょうか。

 

五条悟:

簡単な式神とか結界術は別として
基本的に術式は生まれながら体に刻まれてるものだ

――呪術廻戦 12話より

 

五条のセリフの「簡単な式神とか結界術」は、補助監督が扱う術師のバックアップ手段として、伊地知のプロフィールにも記載があります。

 

簡単な結界術(帳)や式神で術師をバックアップ

――単行本2巻 伊地知のプロフィールより

 

つまり、「簡単な式神とか結界術」は「術式なしでも使える」と同時に、「使えることが補助監督の条件である」と言えるでしょう。戦闘行為を請け負う術師は、これらを使えずとも呪霊の祓除に専念できるというわけですね。

ちなみに新田の場合は封印術も使用できることが描写されています。このあたりの基礎は高専で呪術師志望・補助監督志望ともに共通で授業があるのでしょう。(本人の才能の有無はともかく、知識としては必須でしょうし…)

 

呪術師は年中人手不足と言われていますが、その中でも更に限られた人数しか結界術は使えません。しかし誰もが呪術師として戦闘行為を行える精神力を持っているわけではありません。

 

五条悟:

才能があってもこの嫌悪と恐怖に打ち勝てず挫折した呪術師を
恵も見たことあるでしょ

――呪術廻戦 4話より

 

伊地知はファンブックに、

呪術師を目指していたが「メンタルが向いていなさすぎるから」補助監督に転向した

という記述がありますので、4話で五条が語った例の一人なのかもしれません。

ただでさえ少数派の呪術師の、更に少数派の結界術の才能を持つもの。そんな人材が七海のように呪術界から足を洗ってしまうことは大きな損失でしょう。

「呪力操作ができて術式を行使できるが、戦闘行為は禁止されている」補助監督というのは、結界術を使える貴重な人材を呪術界に留めるためのシステムなのかもしれません。

嘱託式“帳”

“帳”が誰でも使えそうな印象を受ける原因のひとつが嘱託式“帳”です。

嘱託式“帳”で展開される“帳”の性能は毎回非常に高度なものばかりです。

 

五条悟:

視覚効果より術式効果を優先してあるのか
上手いな…

――呪術廻戦 45話より

庵歌姫:

特定の個人のみに作用する結界なんて余程…

――呪術廻戦 45話より

五条悟:

余程腕が立つ呪詛師がいる しかもこちらの情報をある程度把握してるね

――呪術廻戦 45話より

 

姉妹校交流戦で組屋が発動したのが初登場ですが、嘱託式“帳”を作成した「余程腕が立つ呪詛師」は「天元に次ぐ結界術の使い手」である羂索です。

嘱託式“帳”は「基」である杭のようなものに結界術式が構築されており、呪力と言霊を外部から流し込んで、術式構築者以外の者が発動させます。

 

虎杖悠仁

うん 冥さんが言うにはもうそれには結界術が組み込まれてて
後は誰かが呪力を込めればいいだけなんじゃないかって

――呪術廻戦 94話より

 

この”帳”の「基」と似た理屈で、メカ丸が真人戦で「簡易領域」の術式をカートリッジで発動させていましたね。

 

与幸吉:

コレにはあの呪術が封じられている
俺ではこのやり方でしか術を成立させられなかった

――呪術廻戦 82話より

 

簡易領域の記事で、この描写からメカ丸が「自らの肉体にゼロから結界術の術式を構築して制限なしに使用することができない」と考察しましたが、嘱託式の“帳”についても同じことが言えるのではないでしょうか。

嘱託式“帳”の使用者である組屋・オガミ婆・孫・粟坂が自力で“帳”を降ろせるとは限らない、ということです。

実際、明治神宮前駅の嘱託式“帳”を守っていた蝗GUYのことを、虎杖はこう評しています。

 

虎杖悠仁

コイツが“帳”を…? 2枚も? なんだかな

――呪術廻戦 86話より

 

蝗GUY程度の知能では“帳”を降ろせないと虎杖でも認識しているということですね。

 

呪霊の等級分けは結構アバウトなんですが2級と準1級の間には明確な基準があります。
それは“呪術(術式)を使うかどうか”です。
だもんで、蝗GUYは準1級以上の強さを持っていますが等級は2級になります。

――単行本11巻「いつか言おうと思って放ったらかしになっていた設定⑤」より

 

蝗GUYは2級の呪霊ということは、呪術の一種である結界術は使えません。虎杖の考えたとおり、嘱託式“帳”に呪力を流しただけで「結界術の行使はしていない」のです。

同じように帳の「基」を守る役目だったオガミ婆・孫・粟坂も、結界術が使えない可能性があります

(組屋はなんか「基」を守るどころか自由行動してたのでよく分かりませんが…)

 

日下部が評価する嘱託式“帳”

羂索はシン・陰流に言及することが多いのでお気に入りなのでは? みたいな話を前回しましたが、逆にシン・陰流の使い手である日下部も、羂索の結界術の才に言及するシーンが複数あります。

 

日下部篤也:

高度な結界術に五条悟を指名したこと これは交流会を襲撃した連中と同一犯だ

――呪術廻戦 83話より

日下部篤也:

馬鹿げた結界術 馬鹿げた呪具の所持
肉体を乗り換える術式を持つ黒幕の人選としては…

――呪術廻戦 134話より

 

この「高度な結界術」「馬鹿げた結界術」というのは渋谷で降ろされた3種の嘱託式“帳”を指します。

“帳”や「簡易領域」を使用できる者は高専側でも限られているということを考えると、東京高専の中では日下部が最も結界術に長けている(五条悟除く)と考えて良いでしょう。

そのため、日下部こそが羂索の扱う結界術の技術を最も正確に評価できるのだと思います。お互いに認め合う関係ということですね(そうかな…?)。

まとめ

書いているうちに簡易領域に比べてまとまりのない記事になってしまいましたが、“帳”もまた使用者が限られている技術だということの根拠は並べられた…ような気がします。

「呪術廻戦においては、結界術は難しくて使い手が少ない」という設定だという主張、少しでも理解して頂けると私が嬉しいです(笑)。

次回は結界術の描写を根拠にした「乙骨と夏油と九十九は領域展開を使えるのか?!」予想記事が書けたら…いいな…(遊戯王マスターデュエルにひたすら時間を吸われながら)

【追記】書きました

hitotonoya.hatenablog.com

 

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